ボルチモア出身のEND ITは、今作もありのままを語っている。このハードコア・バンドのデビュー・アルバム『Wrong Side Of Heaven』
END ITは、遠慮なく自分たちの意見をぶつける姿勢、疾走感あふれる楽曲、そしてエネルギッシュなライブによって、その名を広めてきた。そして今、彼らは次の時代へと踏み出そうとしている。
2017年に結成されたEND ITは、ボーカルのAkil Godsey、ドラマーのChris Gonzalez、ギタリストのRay Lee、ベーシストのPatrick Martinからなる4人組。Flatspot Recordsと契約し、結成した同じ年にセルフタイトルEPをリリースして鮮烈なスタートを切った。その後、2020年にはEP『One Way Track』を発表。
そして2022年夏、EP『Unpleasant Living』によってハードコア・シーンに大きな衝撃を与え、ボルチモアを拠点とするEND ITは、このジャンルでもっとも注目すべきバンドのひとつとしての地位を確かなものにした。
リリース後、END ITは北米とヨーロッパを縦断する過密なツアーやフェスティバル出演を行い、No Warning、Terror、Cold World、Drain、Speed、Angel Du$t、Scowlなど、数多くのバンドと共演してきた。
さらに彼らの活動はハードコア・シーンの枠を越えている。ブレイクアウト・シングル「New Age Slavery」は、ゲーム『Tony Hawk's Pro Skater 3 + 4』のサウンドトラックにも収録された。
どこで何をしていようとも、END ITは自分たちらしさを本物のまま貫くことを大切にしている。そして、その姿勢は今回の『Wrong Side Of Heaven』にもはっきりと表れている。
Turnstile、Snapcase、Hot Water Musicなどの作品でも知られる著名プロデューサー、Brian McTernanを迎え、Salad Days Studioでレコーディングを実施。2025年初頭の2か月間にわたる制作期間に、バンドは数曲のデモを持ち込み、アルバムの大部分をその場で書き上げた。
クラシック・ハードコア、スラッシュ、そしてソウル・ミュージックから影響を受けながら、END ITが作り上げたのは全15曲からなる渾身の大作だ。
その中心にあるテーマは、
「アメリカ人に訪れようとしている変化への意識を広げること、個人として成長すること、そしてハードコアが持つ倫理と誠実さを守り続けること」
アルバムはタイトル曲「Wrong Side Of Heaven」でいきなり幕を開ける。重厚でグルーヴィーなリズムが楽曲の中心を担い、続く「Pale Horse」では、Godseyのカリスマ性と狂気を帯びたボーカルが存分に炸裂する。
アルバムが進むにつれ、END ITのサウンド面での成長も明確になっていく。ひとつひとつの特徴的な音、そして個性的なリフが、これまで以上に大きな存在感を放っている。
Godseyの歌詞は、単に腹に一発食らわせるような衝撃を与えるだけではない。自分自身や、この世界を見つめ直すためのきっかけにもなっている。
「Billion Dollar Question」では、
「お前の贅沢な暮らしを維持するために、誰が死ななければならない?」
と問いかける。
一方、「Anti-Colonial」では、
「君と僕にとって、より良い明日を。
目に見えない者たちのために、僕たちは永遠に叫び続ける。」
のメッセージが込められている。
そして14曲目には、意外な瞬間が待っている。
Maximum Penaltyの「Could You Love Me」のカバーだ。
ニューヨーク・ハードコアのバンドMaximum Penaltyは、結成当初からEND ITにとって非常に大きな影響を与えてきた存在。そしてEND ITは、この心のこもった楽曲に対して、最大限の敬意を込めたカバーを聴かせている。
アルバムを締めくくる「Empire’s Demise」は、モッシュ・ピットを沸かせるだけの跳ねるようなグルーヴを備えながら、現在のアメリカ社会に対する強烈なコメントも突きつける。
Godseyは、
「250年。帝国は永遠には続かない。
その終わりが、それより早く来ることを願う」
と叫ぶ。
そして曲は、渦巻くような狂気の中へと落ちていく。
未来を予測することは誰にもできない。
それでもEND ITは『Wrong Side Of Heaven』という作品を通して、この不確かな時代を生き抜き、後世にも残り続けるであろうアルバムを作り上げた。
TRACKLIST:
1.Wrong Side of Heaven
2.Pale Horse
3.(SYBAU)
4.Billion Dollar Question
5.Cloutbusting
6.Life Sublime
7.Optical Delusions
8.I, Lament
9.Used 2 Be
10.Anti-Colonial
11.Future Without A Past
12.Disdain (U Mad)
13.Hookworm
14.Could You Love Me?
15.Empire’s Demise
*レコードのカラーがありますが、ランダムにお送りさせて頂きます。